Minimal Green

はてなブログテーマ『Minimal Green』のデモブログ。はてなブログカスタマイズや、HTML、CSSなどについて書いています。

はてなブログの個人営利利用ガイドラインへの対応を解説します

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2019年10月1日より、はてなブログの個人営利利用を許諾します」という発表がはてな運営公式のはてなブログ開発ブログより公開されました。
以前は一応「収益を主目的としたはてなブログ」の利用が禁止されていました。(実際には営利が主目的であっても黙認状態ではあったと思いますが)

このガイドラインの変更により、アフィリエイトや自身のサービスの宣伝・集客を主目的とした営利利用のブログもはてなブログで運営することができるようになります。

ただし、個人営利利用をするにはプライバシーポリシーや連絡先の明記や法令・JIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)のガイドラインを遵守することが求められ、新ガイドラインでは以前より厳しく禁止行為が定義されています。

この記事でははてなブログの個人営利利用ガイドラインへの対応に必要なプライバシーポリシーやお問い合わせページの作り方・設置方法、また特定商取引法に基づく表記の書き方を解説します。

はてなブログが目指すもの

はてなブログは収益ばかりの営利目的のブログではなくユーザーの「書きたいこと」を伝えるブログを対象としています。

はてなブログの言葉のコンテンツを大事にする方針は「書き残そう。あなたの人生の物語。」「思いは言葉に。」というキャッチコピーが端的に表しています。

以前のはてなブログのキャッチコピー。
書き残そう。あなたの人生の物語。
引用元:『書き残そう。あなたの人生の物語。』 - 嫁を迎えるまで淡々と

現在のはてなブログのキャッチコピー。

個人営利利用が許諾されるようになってもこうした方針は変わらないと思います。

今までは広告だらけの収益のみを目的とした中身のないスパムブログを排除するため、「アフィリエイトは副次的に」としてされてきました。しかしながら昨今、アフィリエイトが広く一般に浸透しブログに広告を貼るのは当たり前になってきました。

より良いコンテンツを書き続けていくモチベーションとしてブログの広告収益は無視できない存在であり、そうしたブログ界隈の状況にはてなブログ運営も対応したということでしょう。

公正な運営を必須とするなど、より責任ある運営を求め、不適切なブログ利用については従来より厳しく制限する方針としています。営利宣伝目的での利用を無制限に許諾し、これまでの規制を緩和するものではないことにご留意ください。
(略)
営利利用の定義と情報発信の責任所在を明確とするようガイドラインを再整備する他、今後はシステム面でのスパム対策や不正対策を強化し、ユーザーに対する啓蒙活動にもこれまで以上に注力する
2019年10月1日より、はてなブログの個人営利利用を許諾します - はてなブログ開発ブログ

ブラックSEO,集客を目的とした過剰なブックマーク付やブクマ依頼・相互ブックマークも明確に禁止されましたので、収益を目的としたガイドライン違反の行為はより厳しく規制されます。

"興味もないのに一日610ブックマークしている"ようなブックマークの利用は集客目的であればガイドライン違反となる可能性が高いです。

usausamode.hatenablog.com

多くのはてなブロガーさんは既に広告を掲載し、プライバシーポリシーやお問い合わせフォームを設置されていると思いますが、ここでは改めて新ガイドラインを読み込み、必要な措置を確認します。

help.hatenablog.com

個人営利利用の定義

新ガイドラインでの「個人営利利用の定義」を要約すると以下のように解釈できます。(詳細は新ガイドラインをご参照下さい。)

個人営利利用の定義
  • 収益の発生する広告を掲載しているブログ
  • 広告主から報酬を得て依頼されたPR記事・広告記事を掲載しているブログ
  • 自身または関係者の提供するサービスや商品、またコンテンツを宣伝、告知しているブログ
  • その他ブログの利用が収益につながるブログ

広告を貼っていても記事内にはてなブログ記事編集画面サイドバーの機能で挿入した広告(Amazonや楽天市場)を入れているだけなら、非営利利用と判断されるそうです。

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こういうのは非営利利用になるみたいです。

個人営利利用のルール

個人営利利用のルール
  • 連絡先の明示
    • 自身でプライバシーポリシーを設けている場合、プライバシーポリシー内に記載
    • ブログのヘッダ、フッタ、サイドバー、プロフィールなど、どの記事からも確認できる箇所に記載
  • 法令や各種ガイドラインの遵守
  • 日本音楽著作権協会(JASRAC)の管理楽曲の掲載は非営利利用に限る

新ガイドラインの解釈についてはAQMさんの記事が詳しいです。
aqm.hatenablog.jp


新ガイドライン対応で必要な措置

プライバシーポリシーやお問合わせフォームページの設置

プライバシーポリシーの設置は義務付けられていないようですが、アフィリエイト広告を貼っている場合ASPの利用規約で定められていることが多いので設置したほうがいいでしょう。

プライバシーポリシーとはそのサイトが取得するサイト訪問者や問い合わせされた方・コメントを書かれた方の個人情報の取り扱いに関する方針を記したページです。

  • 個人情報の扱い方針を明記
  • 個人情報の削除の問い合わせに応じる
  • 警察など公的な機関からの個人情報の提供を求められた場合の対応
  • GoogleAnalyticsについて
  • 広告について
  • Cookie・お問い合わせフォーム・コメントなどについて
  • その他免責事項

これらの項目を記すのが一般的です。上記の項目はGDPRへの対応も考慮しています。(GDPRについてはこちらの記事がわかりやすいです。)

プライバシーポリシーの例(コピペOK)

コピペでご利用いただけるプライバシーポリシーの例文をご用意しました。よろしければご利用下さい。(HTML編集画面へ貼り付けて下さい)

<h2>個人情報の利用目的</h2>
<p>当サイトでは、コメント・お問い合わせフォームなどの入力の際に、名前(ハンドルネーム)、メールアドレス等の個人情報をご登録いただく場合がございます。 これらの個人情報は質問に対する回答や必要な情報を電子メールなどでご連絡する場合に利用させていただくものであり、個人情報をご提供いただく際の目的以外では利用いたしません。</p>
<h2>コメント・お問い合わせ</h2>
<p>はてなブログのコメント欄でははてなid・ハンドルネームなどをご登録いただく場合がございます。コメントされた方はIPアドレスがブログ管理人に表示されます。コメントやお問い合わせフォームで得た個人情報はユーザーの希望がある場合は適宜削除させていただきます。</p>
<h2>Cookie</h2>
<p>はてなブログでは登録ユーザーのログイン状態の確認、ユニークユーザー数の測定、ユーザー利便性の向上、およびユーザー認証のためクッキーを使用しています。クッキーの仕組みは<a href="http://www.hatena.ne.jp/rule/privacypolicy">はてなプライバシーポリシー</a>をご参照下さい。</p>
<h2>個人情報の第三者への開示</h2>
<p>当サイトでは、個人情報は適切に管理し、以下に該当する場合を除いて第三者に開示することはありません。</p>
<p>・本人のご了解がある場合<br /> ・法令等への協力のため、開示が必要となる場合</p>
<h2>個人情報の開示、訂正、追加、削除、利用停止</h2>
<p>ご本人からの個人データの開示、訂正、追加、削除、利用停止のご希望の場合には、ご本人であることを確認させていただいた上、速やかに対応させていただきます。</p>
<h2>当サイトに掲載されている広告について</h2>
<p>当サイトでは、第三者配信の広告サービス(Googleアドセンス、A8.net、Amazonアソシエイト)を利用しています。</p>
<p>このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 『Cookie』(氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります</p>
<p>またGoogleアドセンスに関して、このプロセスの詳細やこのような情報が広告配信事業者に使用されないようにする方法については、<a href="https://support.google.com/adsense/answer/1348695">こちら</a>をクリックしてください。</p>
<p><a href="https://policies.google.com/privacy?gl">プライバシー ポリシー – ポリシーと規約 – Google</a></p>
<p><a href="https://policies.google.com/technologies/partner-sites">Google のサービスを使用するサイトやアプリから収集した情報の Google による使用</a>がコンテンツおよび宣伝を提供し、訪問者から直接情報を収集し、訪問者のブラウザにクッキーを設定したりこれを認識したりする場合があります。</p>
<h2>Amazonアソシエイト・プログラムについて</h2>
<p>当サイトはAmazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。</p>
<h2>Googleアナリティクス</h2>
<p>当サイトでは、Googleによるアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用しています。</p>
<p>このGoogleアナリティクスはトラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。このトラフィックデータは匿名で収集されており、個人を特定するものではありません。この機能はCookieを無効にすることで収集を拒否することが出来ますので、お使いのブラウザの設定をご確認ください。この規約に関して、詳しくは<a href="https://support.google.com/analytics/answer/4597324?hl=ja">ここ</a>をクリックしてください。</p>
<h2>免責事項</h2>
<p>当サイトからリンクやバナーなどによって他のサイトに移動された場合、移動先サイトで提供される情報、サービス等について一切の責任を負いません。</p>
<h2>プライバシーポリシーの変更について</h2>
<p>当サイトは、個人情報に関して適用される日本の法令を遵守するとともに、本ポリシーの内容を適宜見直しその改善に努めます。</p>
<p>修正された最新のプライバシーポリシーは常に本ページにて開示されます。</p>

参考:はてなプライバシーポリシー - Hatena Policies

お問い合わせフォームの設置方法

連絡先はメールアドレスの公開でもいいのですが、迷惑メールが来やすくなるのでお問い合わせフォームのほうが良いと思われます。
ここではGoogleフォームを利用したお問い合わせフォームの設置方法を書きます。
www.google.com


Googleのアカウントへログインした状態でGoogleフォームへアクセスし、「Googleフォームを使ってみる」をクリックしフォーム作成に進みます。

連絡先情報のテンプレートを選びます。

不要な項目は削除し質問項目・フォーム名・デザインを変更します。

設定アイコンをクリックし「回答を一回に制限する」のチェックを外します。

「送信」をクリックし、HTMLコードのタブで埋め込み用のコードをコピーします。
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この時「回答」タブで「新しい回答についてメール通知を受け取る」にチェックを入れるとGoogleアカウントのメールアドレスへ通知が来ます。
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はてなブログで固定ページまたは記事を作成します。
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HTML編集の画面にコードを貼り付けます。この時フォームのwidth="100%"にして下さい。
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これでお問い合わせフォームがはてなブログのページへ埋め込みできました。

フッターにプライバシーポリシーとお問い合わせフォームへのリンクを貼る

連絡先はブログのどの記事からも確認できる箇所に記載とのことでサイドバーやフッターなどにリンクを貼る必要があります。

サイドバーのリンクモジュールで追加してもいいですが、ここではフッターにCopyrightと共に入れるやり方をご紹介します。ブログデザインを崩さずガイドラインに沿った連絡先明記することができてオススメです。

フッタに以下のHTMLを適宜編集して入れてください。

<div id="copyright">
<p><a href="プライバシーポリシーURL">プライバシーポリシー</a> / <a href="お問い合わせページURL">お問い合わせ</a></p>
©サイト名.</div>

デザインCSSには以下を追記。色は適宜変更して下さい。

#copyright {
    padding: 20px;
    text-align: center;
    background: #47a89c;/* 背景色 */
    font-size: 12px;
    color:#fff;/* 文字の色 */
}
#copyright a {
    color:#fff;/* 文字の色 */
}

こんな感じで表示できます。
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特定商取引法に基づく表記

個人営利利用の定義の「自身または関係者の提供するサービスや商品、またコンテンツを宣伝、告知しているブログ」に該当する場合は「特定商取引法に基づく表記」が必要になります。

これは法律なのではてなブログ云々ではなく特定商取引法に該当する事業を行なっている者は必ず表記しなくてはいけません。

アフィリエイト広告を貼っているだけの方は必要ないです。

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。
特定商取引法とは|特定商取引法ガイド

インターネット上でイラストやデザイン・webサービス・ライティングのお仕事を受注しているフリーランスのイラストレーターさんやデザイナーさん、エンジニアさん・ライターさんもこの特定商取引の「通信販売」に該当します。

特定商取引法に基づく表記の表示事項

消費者庁の特商法のサイトによると「事業者の氏名・電話番号・住所」は省略可能となっています。ネット上に個人情報を晒すのが怖い方は「問い合わせがあった場合に遅滞なく通知する」旨を記載すれば省略できます。メールアドレスは省略できません。
通信販売|特定商取引法ガイド

表示事項 販売価格・送料その他消費者の負担する金額
全部表示したとき 全部表示しないとき
代金等の支払時期 前払の場合 省略できない 省略できる
後払の場合 省略できる 省略できる
代金等の支払方法   省略できる 省略できる
商品の引渡時期等 遅滞なく行う場合 省略できる 省略できる
それ以外 省略できない 省略できる
返品に関する事項(返品の可否・返品の期間等条件、返品の送料負担の有無)   省略できない 省略できない
販売業者の氏名(名称)、住所、電話番号   省略できる 省略できる
法人であって情報処理組織を使用する広告の場合に法人においては代表者名または責任者名   省略できる 省略できる
申込みの有効期限   省略できない 省略できない
商品の隠れた瑕疵に関する販売業者の責任 負う場合 省略できる 省略できる
負わない場合 省略できない 省略できる
ソフトウェアを使用するための動作環境   省略できない 省略できない
商品の売買契約を二回以上継続して締結する場合の販売条件   省略できない 省略できない
販売数量の制限等特別の販売条件   省略できない 省略できない
請求により送付する書面の価格   省略できない 省略できない
(電子メールで広告するときは)電子メールアドレス   省略できない 省略できない

特定商取引法に基づく表記のテンプレート

以下に特定商取引法に基づく表記のサンプルをご用意しました。適宜変更の上ご利用下さい。

<table>
<tbody>
<tr>
<th scope="row">事業者氏名</th>
<td>お問い合わせ後遅滞なく開示します。</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">所在地</th>
<td>お問い合わせ後遅滞なく開示します。</td>
</tr>
<th scope="row">電話番号</th>
<td>お問い合わせ後遅滞なく開示します。</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">E-mail</th>
<td>メールアドレス</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">キャンセル・返金について</th>
<td>商品の性質上、データが破損している場合、または商品に致命的な欠陥がある場合を除き、お客様の自己都合による返品(返金)には応じられません。</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">申込みの有効期限</th>
<td>お申込みの有効期限は最初のお問い合せ後2週間までとさせていただきます。お問合せの返信後連絡が取れなくなった場合はその時点でお申込はキャンセルとみなし無効になります。</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">代金価格</th>
<td>〇〇円/請求書にて提示</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">代金の支払時期</th>
<td>お申し込み後○○日以内</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">代金の支払方法</th>
<td>クレジットカード払い、 銀行振込</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">代金以外の必要経費</th>
<td>銀行振込時の手数料</td>
</tr>
<tr>
<th scope="row">販売数量の制限</th>
<td>特になし</td>
</tr>
</tbody>
</table>

ソフトウェア販売の場合は「ソフトウェアを使用するための動作環境」も明記が必要です。

以上はてなブログの個人営利利用を許諾する新ガイドラインへの対応をまとめました。お役に立ちましたら幸いです。

ここまで長々と書きましたが、ここに書いている情報が全て正しいとは限りません。正確な情報が欲しい方は一次情報にご自身で当たってご確認下さい。

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初心者向け!! はてなブログ入門マニュアル - Minimal Green